血圧のコントロールをしよう

若い人~75歳未満の高齢者の人の場合、140/90mmHg未満。
75歳以上の高齢者の場合、150/90mmHg未満が血圧の目標値になっています。

でも病院で血圧を測ったときに正常値でも、家ではもっと高い値が出ることがあります。仮面高血圧と呼ばれるそうですが、家でも血圧をコントロールできていないと結局は心臓病や脳卒中が起こるリスクが高いままです。

自分の本当の血圧はどのくらいなのか知っていますか。朝、起きて1時間以内と夜、寝る前に血圧を測ってみましょう。正しい測りかたは、まず排尿をすませ、食事や薬を飲む前に、椅子に座って1~2分静かにしています。できれば毎日決まった時間に測りましょう。血圧計は二の腕に巻くタイプがベスト。毎日記録すると医師にも相談しやすいですね。

高血圧だとわかった場合でも、急激に血圧を下げることをしなくてもいいんです。むしろ高血圧の状態に体が慣れてしまっているので、急に血圧が下がるとめまいを起こしたり、ふらついたりします。血圧はあせらず確実に下げるというのが基本です。最低でも2~3か月はかかります。

高血圧になるとこんな病気のリスクが高まります



①心臓病
高血圧になると血管を血液が通りにくくなるので、心臓はより強い力で血液を送り出します。すると心臓は肥大化しますし、血管は動脈硬化が進みます。このことから心筋梗塞狭心症を引き起こし、やがて心臓はどんどん弱まりついには心不全となって死んでしまいます。

脳卒中
日本人の死因第3位が脳卒中。また寝たきりになってしまう原因の40パーセントは脳卒中とも言われています。脳卒中の要因は高血圧と糖脳病、不整脈なので血糖値なども気にしつつ、血圧もコントロールしなければなりません。

③腎臓病
腎臓には細い血管がたくさん集まっているので、高血圧の状態が長く続いていると腎臓には大打撃なんです。腎臓の細胞が壊れていくと、老廃物を処理しきれなくなって、腎臓移植や人工透析などをしなければならなくなります。腎臓が悪くなると心臓にもダメージがあるので気をつけなければなりません。

認知症
高血圧ですと認知症にかかりやすいといわれています。また糖尿病や脂質異常症認知症にかかるリスクを高めるので、認知症予防のためにも日ごろの生活をあらためた方がよいかもしれませんね。

高血圧を予防・治療するためにできること



☆減塩
高血圧の予防や治療で基本になるのが減塩です。塩分を摂りすぎると、薄めるために体は血液中の水分を増やします。血液量が増えると血管にかかる圧が高くなってしまうのです。

そうはいっても、味の薄い食事はつまらないですよね。工夫が必要です。塩の代わりに酢やレモンを使ったり、ソースや醤油をおかずに直接かけないで、小皿に出してつけて食べるようにしたり、ラーメンやうどんのつゆまでは飲まないようにしたり、野菜や果物を多くとるように心がけましょう。一度濃い味付けに慣れてしまうと薄い味付けのものに物足りなさを感じてしまうかもしれませんが、その分素材のおいしさを味わえるといいですね。

また外食の時はとくに要注意。丼ものはご飯にもつゆが染み込んでいるのでなるべく避けたいもの。例えばかつ丼を食べたいときはとんかつ定食にした方が塩分が少なくて済みます。かに玉や八宝菜など、とろみのある料理はあんに塩分が多く使われているのでNG。またハムやソーセージ、ベーコンもなるべくひかえましょう。

☆運動
運動することで血流が良くなって血管が広くなります。血管が広がると血圧も下がります。また運動をすると肥満やストレスの解消にもなります。

仕事に忙しい日常でも少しの工夫で運動はできますよ。通勤ではひとつ前のバス停や駅で降りて歩く、階段を使う、昼食をとるお店は離れた場所にする、なるべく車は使わないなどなど。

ただ筋肉トレーニングなど激しい運動はNG。それよりもウォーキングや水泳、ジョギング、サイクリングなどの有酸素運動をしましょう。目標は週に3回ほど。続けるのはなかなか大変なことなんですが、まずは無理をしないこと。もうちょっとできるかなくらいでやめておくのがベスト。それから一緒に運動をする仲間がいると張り合いになりますね。

☆ストレス解消
ストレスは血圧を上げるもと。私はストレスなんて感じていないわ~といっている人もいますが、無意識のうちにためこんでしまっている可能性も。実は私がそうだったんですが、自分の感情を無意識に抑えてしまっていたようで、ある日突然爆発!感情がうわ~っと出てしまいました。でもそれによってすっきり。大人だからって感情を抑えたらだめなんです。笑ったり怒ったり、泣いたりするのがふつうなんですよね。

☆禁煙
タバコのニコチンが副腎を刺激して、血圧を上げるホルモンを分泌します。交感神経も刺激して興奮するので、喫煙は高血圧で悩む人にとっては大敵。ほかにもさまざまな病気の要因になりますから禁煙することをおすすめします。

思い切ってタバコや灰皿を捨てて、家族や友人、職場の同僚などに宣言してしまいましょう。どうしても口さみしい時は禁煙パイプやガム、飴などでごまかして。でもこのガムや飴はシュガーレスのものを。そして禁煙を始める日は誕生日などの特別な日がおすすめです。決意が固くなって続きやすいのだそう。